最近私の周りでとても悲しい出来事が起こった

最近私の周りでとても悲しい出来事が起こった。隣人の猫がコヨーテに襲われ殺されたのだ。と言っても飼い主に飼育放棄された猫で、その雌猫は母猫、兄猫との3匹で仲良く、コンドの中庭を走り回ったりじゃれ合ったり、あくびをしたり昼寝をしたりしていた。

コンドの中庭と言うのは、私のポーチから見える大きな円形の芝生の事だが、このコミュニティ敷地内にはこんな中庭が他に幾つもある。それらの中庭を取り囲むようにして、2階建てのビルが立ち並ぶ。つまり同じ様式の庭とビルが幾つも集まって、一つの大きなコンド コミュニティが形成されている。全体的にはかなりの数の世帯が集まっている。

でも飼育放棄された猫達は他の中庭には行かない。自分たちのテリトリーだけで遊びまくっていた。飼育放棄と言っても飼い主は「面倒は見ないよ、だけど帰って来たければいつでもおいで」と言う完全なるほったらかしなので、猫達もよけいに自由を感じていたのだろう。

ここのエリアの住人たちは心優しい人たちが多く、そんな猫達に餌を上げたり寝場所を提供したりして、すっかり甘やかしてしまった。私もその中の一人。中にはこの3匹の猫達全員を動物病院に連れて行き、避妊、去勢手術を済ませた気前のいい女性もいる。そのため彼らは猫特有の敏捷性、刺激に応じ素早く行動する能力を錆びつかせてしまったのかも知れない。

ぼんやりしていたハナがコヨーテに食べられちゃった。

コヨーテはイヌ科の動物で、見た目は犬よりも荒々しく粗野な風貌をしている。毛並みも粗い。このコヨーテが近頃、ロスアンゼルス近郊をうろつき、人間のゴミをあさる、庭の果実を盗み食いするなどの悪さをしていると言う。市内の建物と建物の間の空間はとても広く、そこに草藪や生垣が形成され、それがまたコヨーテ達の恰好の隠れ家になってると言う。

彼等は子ウサギ、りす、ネズミなどの小動物を捕まえ食し、なんと今は大の猫好きになってしまったと言う。もちろん食料として。野良猫はもちろん最近はペットの猫が頻繁に襲われると言う。

そしてとうとう彼らは我が庭にもやって来た。中庭で人生、いや猫性をエンジョイしていた。誰がつけたのか、母猫の名前は『ルナ』子猫のオスは『リーリー』メスは『ハナ』亡くなったのはこの『ハナ』である。ハナは花とも書き、これはflowerと言う意味だ。

『ルナ』は背中が黒く腹が白いいわゆるハチワレ猫で『リーリー』は母親とそっくりの外見をしていて、『ハナ』は白と黒の模様が入り混じった、その名の通り体中に花びらを散らしたような模様が可愛かった。

『リーリー』は同じエリアの住民にアダプトされたが、夜、寝に帰るだけで昼間はルナ、ハナと行動を共にしていた。ルナはとても出来た母猫で、優しく厳しく子猫たちをしつけていた。ハナやリーリーが餌を前にして我先にとガッツクと、彼らの頭の上に右手をかざし注意していた。

私は母猫のルナとは長い付き合いでもう5年になる。赤ちゃん猫の時にもらわれてきたルナは、すぐさま外を一人で歩き回っていた。私はおやつを上げたり中庭の芝生の上で猫じゃらしで遊んであげたりしたが、遊び方の分からないルナは玩具には飛びつかずに、口にくわえて持ち去ったりしていた。その頃私のペットのララもまだ一歳だった。

そのルナの子供がコヨーテに食い殺されたとなると、私も黙ってはいられない。

コヨーテは一夫一妻型で子育ては両親で行うが年上の子が手伝う事もある。春に生まれた子は3、4か月になれば両親と行動を共にし、秋には一人で狩りをするようになる。生息域が人間と接する地域では、民家の庭に侵入し家畜やペット、人を襲う事もある。(Wikipedia)

最近小学校の低学年の女の子が突然現れたコヨーテに、お尻を噛まれると言う事件が起きた。たまたま父親がそばにいたので大事には至らなかった。このニュースの映像がテレビで流れ、子供を持つ親たちはヒヤリとしたに違いない。

コヨーテの一夫一妻型で子育ては両親で行うと言う生き方は、猫より賢明ではある。だいたい野生の肉食動物は、そうやって狩りを覚えいずれは一人で生きて行かなければならない。猫達も親に見放されたら孤独に生きるのだが、猫は拾われペットになったりシェルターに引き取られたり、道行く人たちが面倒を見る事もある。その分、コヨーテより恵まれている、と私は思う。

ルナは娘が殺された後しばらくは、顔を上げるのもつらいほど打ちひしがれ、地べたに腹ばいになり身動きもしなかった。短絡的で感情に溺れやすい私は、ルナをアダプトしようかとも思ったがそれは出来ない相談である。私のペットのララはルナを目の敵にしていて、ルナが部屋に入って来ると神経をピリピリさせ、攻撃的にシャーと威嚇する。

それにルナは完全なる自由型外猫で、一日中家に閉じ込めておくことなどまず出来ない。

それでもルナは頻繁に私のポーチにやって来て、リビングに続くガラス戸の前に正座をし「少し休ませてくれないかしら?」とじっと私を見つめる。中に入れてやると彼女は私のベッドに直行し、ベッドの上に丸くなりしばしの間惰眠をむさぼる。それが終わると静かに帰って行く。ララもその間は何も言わないし何もしない。

ルナは殺されたハナをとても可愛がっていた。ハナも一度アダプトされたが、すぐにルナの元に戻って来た。それだけに可愛さが増したのだろう。ルナもハナも自由でいる事が好きだった。

聞く所によるとこの敷地内だけですでに4匹の猫、一匹の子犬が襲われたそうだ。

コヨーテよ、こんな所で狩りなどするな。狩りがしたいならアフリカへ行きなさい。

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