ピヨピヨピヨ

ピヨピヨピヨと音がして飼い猫のララが、私の前を素通りした。居間のソファに座った私が「ララ!」と呼び止めると、ボトリと口にくわえていたものを床に落とし、こちらを振り向いた。落とした物はスズメ。スズメはふらふらとキッチンへ歩き始め、それをララが猛然と追いかける。だがスズメも強気で、あちこち必死で逃げ回る。ララがそれを追う。すずめが逃げる。ララが追う。スズメをさっと私が取り上げた。

約一年ほど前、ララがスズメを捕まえて来た時、小鳥はまだララの口でばたばたと羽を動かしていた。それは実に痛ましい姿で、私はスズメを奪い取り逃がしてやった。その後で、「すずめは友達だから仲良くするように」と、言い聞かせた。その言葉を理解したのかどうか、その後、鳥を捕まえてくる事はなかった。そして一年後の今、またこの始末である。

42253965 - gray cat sitting isolated on white background

実はそれから三十分ほど前、ある出来事があった。バスルームにいた私をつけて来たララが(彼女はどこへ行くにもつけてくる)洗面台の上でじっと私を見つめていた。バスルームで見つめられるのは、落ち着かないものだ。私はたまたまそこにあったライターをつけ、彼女の顔面にかざした。気をそらすために。薄暗い部屋で赤い小さな炎がめらめらと揺れるのをじっと見て、ララは大きく目を見開いた。その十分後だった。鳥をくわえて来たのは。

Sparrow Bird Sitting on Old Stick. Frozen Sparrow Bird Winter Po

猫は火を見ると狩猟本能を、あるいは闘争心を掻き立てられるのか?これをネットで調べて見た。他の動物は火をこわがるが、猫は平気であるとまず書いてある。だが読み進めて行くと、火をこわがる動物はあまりいない。しかも人間が山中でたき火をしていると、自分も暖を取るために寄って来る動物さえいると言う。今では野生動物も人間を見慣れてきて、ひと昔ほど怖がりもしないのだろう。火を見れば暖かさを感じ、そのまわりにいる人間も暖かく優しく見えるのかも知れない。

ところでララの狩猟本能、それを無理やりへし折ろうとしている私は、自然界の摂理に手向かっている訳だ。弱肉強食それが摂理。アフリカの草原ではもっとおぞましい事が行われている。自分は人間と言う同志が殺した鶏、牛、豚の肉を平気で食し、猫が小鳥を捕まえるのはだめだと言う。なんと身勝手で残酷な言い草か。しかも飼い猫の狩猟は、飼い主への贈り物企画だと言うのに。

だがなんとかして今のうちに止めなければ、そのうちネズミやモグラ、ヘビを捕まえて来ないとも限らない。そして最後は、巨大猫に変身して私に襲い掛かって来る。まさか、、、。

結局こんども私は、ララの手からすずめを奪い取り、逃がしてやった。だがララは怒りもせず、何事もなかったように毛づくろいなどしている。その時の彼女の心境が知りたい

black and white kitten sitting in a clay plate and looking at a

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